活動における重点テーマや目標
光を主題にしたライトアートの可能性を追求する千田泰広(1977-)を採り上げる。光を素材として綿密につくり出した光線を用い鑑賞者の「空間知覚」と「体性感覚の変容」をテーマに制作。
活動の概要
「Myrkviðr」「0.04」「aftereal」の三つのインスタレーションを展示。静かな暗闇の中で光と時間のうつろいを体感できる。
①「Myrkviðr(ミュルクヴィズ)」…ゆっくりと回転する光源に応じて、無数の屈折光が空間に広がる。
②「0.04」…10秒に1回、天井から落ちる水滴がレンズとなり、光の輪が生まれては消えていく。
③「aftereal」…振動する糸の残像から現在を捉えきれない人間の知覚を浮かび上がらせる作品を表現。
存在しているにもかかわらず目に見えていない物理的法則や時間の移ろいを、静寂の中で体感し、世界を新たな視点で見せる。
活動の特色
光を主題にしたライトアートの可能性を追求する千田泰広を採り上げた。千田氏は、登山やアイスクライミング、ケイビングなどの経験を素地にもち、「空間の知覚」と「体性感覚の変容」を主題としてインスタレーション作品を制作している。光を素材とし、既存の場をいかしながら、綿密な計算式を漆黒の世界に浮かぶ光の線に替え、空間に内在する知覚の世界へといざない、自らの身体の内側にある情感との対話を導く。今回は世界で高く評価される3つの代表作を展示し、千田氏による、無であり、また無限でもある世界を体験いただく。
